会員権を福利厚生に導入するには?メリットや税務上の注意点を解説
「従業員の定着率を高めるために、福利厚生を充実させたい」
「リゾート会員権に興味はあるものの、仕組みや実用性がよく分からない」
「導入しても、社員に利用してもらえるのか不安」
このような悩みを抱えていませんか。
会員権は、従業員の余暇や家族旅行を支援できる福利厚生のひとつです。
しかし、施設の立地や予約のしやすさが社員のニーズに合っていなければ、せっかく導入しても十分に活用されない可能性があります。
社員に喜ばれる福利厚生にするためには、多くの人が利用しやすい施設を選び、社内の利用ルールを整えることが大切です。
また、会社の負担を抑えながら適切に運用するには、購入費や年会費などの経費計上に関するルールも事前に確認しておく必要があります。
本記事では、法人が会員権を導入するメリット・デメリットをはじめ、経費計上の基本や施設選びのポイント、福利厚生として運用を始めるまでの流れをわかりやすく解説します。
従業員に長く活用してもらえる福利厚生として、会員権の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
福利厚生に会員権を導入する3つのメリット

福利厚生として会員権を導入すると、従業員満足度の向上や採用力の強化が期待できるほか、社員研修やチームビルディングなど、幅広い用途に活用できます。
ここでは、福利厚生に会員権を導入する3つのメリットを紹介します。
福利厚生の充実により採用力を高められる
社員研修やチームビルディングに活用できる
従業員満足度の向上と離職防止につながる
会員権を導入することで、従業員の会社に対する満足度や帰属意識の向上が期待できます。
家族や友人との旅行にも利用できるため、従業員に「この会社で働いていて良かった」と感じてもらえる福利厚生になり得るでしょう。
また、日常を離れて心身を休める機会を設けることで、日々のストレスを和らげ、リフレッシュにもつながります。
会社がこうした環境を整えることは、従業員が長く働き続けたいと思える職場づくりにも役立ちます。
福利厚生の充実により採用力を高められる
人材を募集する際、「高級リゾート施設や会員限定の施設を利用できる」という福利厚生は、自社の魅力を伝える材料になります。
日常を離れてリフレッシュできる制度は、休日を充実させたい若手社員や、家族との時間を大切にしたい子育て世代にも関心を持ってもらいやすいでしょう。
給与や賞与などの金銭的な待遇に加え、余暇を充実させる福利厚生を用意することで、求職者が他社と労働条件を比較する際に、自社を選ぶ後押しにもなります。
社員研修やチームビルディングに活用できる
会員権は、従業員のプライベートな旅行だけでなく、さまざまなビジネスシーンでも活用できます。
普段とは異なる環境で行う会議やオフサイトミーティング、社員研修は、参加者の柔軟な発想を引き出すきっかけになるでしょう。
また、開放的な環境で時間を共にすることで、部署の垣根を越えたコミュニケーションが生まれ、チームビルディングの促進にもつながります。
さらに、重要な取引先を招く接待など、営業活動に活用できる点も会員権のメリットです。
会員権を福利厚生費として経費計上するための注意点

会員権の費用を福利厚生費として経費計上するには、法人名義で契約し、従業員が公平に利用できる環境や社内規程を整えることが大切です。
また、入会金や年会費は、契約内容や利用目的に応じて適切に処理する必要があります。
ここでは、会員権を福利厚生費として経費計上するためのポイントを紹介します。
すべての従業員に公平な利用機会を設ける
利用規程や申込方法を社内で明文化する
入会金・年会費を契約形態に応じて会計処理する
会員権を法人名義で契約する
会員権を会社全体の福利厚生として位置付けるためには、「法人名義(法人契約)」で入会することが基本です。
法人ではなく、社長や特定の役員の個人名義で契約すると、会員としての権利はその個人に帰属します。
実際には従業員が利用していたとしても、権利が個人に帰属している場合は、税務上、福利厚生費として認められない可能性があります。
すべての従業員に公平な利用機会を設ける
支出を福利厚生費として計上するためには、原則として、すべての従業員に利用する機会が与えられている必要があります。
福利厚生制度は、一部の役職や従業員だけに限定せず、従業員全体を対象として設計することが前提です。
「役員のみ」「特定の従業員のみ」といったように、限られた人だけが利用できる状態では、福利厚生の趣旨から外れ、適正な経費として認められない可能性があります。
利用規程や申込方法を社内で明文化する
会員権を福利厚生として適切に運用するには、社内の利用規程を作成しておく必要があります。
「誰が利用できるのか」「どのような手順で申し込むのか」「会社と従業員がどのように費用を負担するのか」など、制度のルールを明確に定めておきましょう。
税務調査が行われた際にも、利用規程や周知した記録を提示することで、会員権を福利厚生の目的で運用していることを説明しやすくなります。
入会金・年会費を契約形態に応じて会計処理する
会員権を会計処理する際は、「所有権型」や「預託金型」など、契約形態に応じて仕訳を分ける必要があります。
会員権の取得時に支払う金額には、所有権型であれば不動産として計上する部分、預託金型であれば将来返還される保証金として計上する部分などが含まれる場合があります。
一方、入会後に発生する年会費や管理費は、利用目的や実態に応じて、福利厚生費として処理できる場合があります。
ただし、契約の内容によっては税務上の取り扱いが複雑になることもあります。
自己判断で処理せず、契約前に顧問税理士へ確認することが大切です。
福利厚生に会員権を導入する3つのデメリット

福利厚生として会員権を導入する際は、初期費用や維持費に加え、売却・解約のしにくさや従業員の利用状況にも注意が必要です。
ここでは、福利厚生に会員権を導入する3つのデメリットを紹介します。
不要になっても売却や解約が難しい場合がある
宿泊費や交通費の負担で利用が進まないことがある
高額な初期費用と年会費・管理費がかかる
会員権を導入する際は、数百万円単位のまとまった初期費用が必要になる場合があります。
契約時に大きな支出が発生するため、初期費用が会社の資金繰りに影響する可能性もあります。
また、導入後は従業員の利用頻度にかかわらず、年会費や管理費などのランニングコストが毎年発生します。
こうした初期費用や継続的な維持費は、企業のキャッシュフローを圧迫する要因になり得るため、事前に無理のない予算を検討することが大切です。
不要になっても売却や解約が難しい場合がある
会員権は、上場株式などの金融資産とは異なり、手放したいときにすぐ買い手が見つかるとは限りません。
そのため、将来的に福利厚生制度を見直すことになっても、会員権をスムーズに売却・解約できない可能性があります。
また、不動産や会員権市場の相場変動によって、購入時よりも売却価格が下がり、元本割れとなるリスクもあります。
宿泊費や交通費の負担で利用が進まないことがある
施設を利用する際の宿泊費や現地までの交通費は、従業員の自己負担となる場合があります。
こうした費用が負担となり、福利厚生として導入しても、十分に利用されないケースもあります。
特に、旅行やゴルフに関心がない従業員や、マイカーを所有していない若手従業員などにとっては、施設を利用するハードルが高くなる可能性があります。
その結果、利用者が一部の従業員に偏り、社内に不公平感が生じる恐れがあります。
法人向けに会員権を選ぶ際の4つのポイント

法人向けに会員権を選ぶ際は、予算や利用目的だけでなく、従業員が公平に利用できる仕組みや運営会社の信頼性、将来の退会・売却条件まで確認することが大切です。
ここでは、法人向けに会員権を選ぶ際の4つのポイントを紹介します。
従業員数に見合う利用枠と公平性を確認する
運営会社の経営状況や実績を確認する
将来の解約・退会や売却条件を確認する
予算と利用目的に合った契約形態を選ぶ
まずは、自社の予算や想定する利用方法に合わせて、適した会員権のタイプを選びましょう。
将来的な売却も見据え、不動産として長期保有したい場合は、「所有権型」が選択肢になります。
一方、初期費用を抑えながら手軽に運用を始めたい場合は、「利用権型」や「ポイント制」が適しているでしょう。
無理なく負担できる費用の範囲を整理したうえで、資産として保有することを重視するのか、利用の手軽さを優先するのかを検討し、自社に合った契約形態を絞り込むことが大切です。

従業員数に見合う利用枠と公平性を確認する
会員権を福利厚生として十分に活用するためには、年間の利用可能日数が自社の従業員数に見合っているかを確認する必要があります。
従業員数に対して利用枠が少なすぎたり、役員や特定の従業員に利用が偏ったりすると、制度に対する不満につながる可能性があります。
夏休みや年末年始など、予約が集中しやすい時期も考慮し、従業員が公平に利用できるルールや予約システムが整っているかを確認しておきましょう。
運営会社の経営状況や実績を確認する
法人向けの会員権は、高額な費用を伴う長期契約になる場合があります。
そのため、契約先となる運営会社の経営状況や実績を確認することが大切です。
運営会社が倒産したり、経営不振に陥ったりすると、施設を利用できなくなるほか、購入した会員権の価値が低下する恐れがあります。
将来にわたって福利厚生制度を維持するためにも、運営会社の業歴や公開されている財務情報、既存会員の口コミなどを契約前に確認し、信頼できる会社を選びましょう。
将来の解約・退会や売却条件を確認する
将来、利用率の低下や福利厚生予算の見直しによって会員権が不要になる場合に備え、契約前に退会や売却の条件を確認しておくことが重要です。
解約する際は、預託金が返還されるのか、返還されないのかを確認しましょう。
預託金の返還条件は、退会後にどの程度の資金を回収できるかを左右する大切な要素です。
また、売却する際に必要となる名義変更手数料についても、事前に確認しておきましょう。
手数料が高額に設定されている場合は、売却によって受け取れる金額が大きく減る可能性があるので、注意が必要です。
福利厚生に会員権を導入する4つのステップ

会員権を福利厚生として導入する際は、従業員のニーズや利用見込みを把握したうえで、料金プランや会計処理、社内の利用ルールを検討することが大切です。
ここでは会員権を福利厚生として導入する4つのステップを紹介します。
STEP 2:複数の会員権と料金プランを比較する
STEP 3:契約前に税理士へ会計処理を確認する
STEP 4:社内の利用規程を作成し運用状況を見直す
STEP 1:従業員のニーズと利用見込みを調査する
まずは、社内アンケートやヒアリングを行い、従業員がリゾート施設の利用を希望しているかを確認しましょう。
「年に何回程度利用したいか」「どのエリアの施設を利用したいか」など、具体的な利用頻度や希望を把握します。
事前に調査することで、年間でどの程度の利用が見込まれるのかを予測しやすくなります。
調査結果をもとに検討すれば、自社に合った会員権のグレードや必要な利用可能日数を判断しやすくなるでしょう。
STEP 2:複数の会員権と料金プランを比較する
従業員のニーズが明確になったら、条件に合う3社程度の運営会社から資料を取り寄せ、比較検討を行いましょう。
比較する際は、主に以下のポイントを確認します。
| 予約の取りやすさ | 繁忙期の予約ルールや、実際の予約状況を担当者に確認する |
| 施設数・エリア | 従業員の居住地から無理なく足を運べる施設がどの程度あるか確認する |
| コストのバランス | 初期費用・年会費・宿泊費の総額が、想定利用回数に対して割高にならないか確認する |
同じ運営会社でも、複数の料金プランが用意されている場合があります。
例えば、利用頻度が低い場合は宿泊の都度料金を支払うプラン、利用頻度が高い場合は年会費を高めに設定して宿泊費を抑えられるプランが適していることもあります。
想定される利用頻度を踏まえ、無駄の少ないプランを選ぶことが大切です。
STEP 3:契約前に税理士へ会計処理を確認する
候補となる会員権を絞り込んだら、契約を結ぶ前に、福利厚生費として適切に会計処理できるかを顧問税理士へ確認しましょう。
契約形態によって、会社の資産として計上する部分と、経費(損金)として処理できる部分の区分が異なります。
自己判断で処理すると、税務調査で福利厚生費として認められず、追徴課税を受ける可能性があります。
契約内容や想定する利用方法を税理士へ共有し、適切な処理方法を事前に確認しておくことが大切です。
STEP 4:社内の利用規程を作成し運用状況を見直す
契約後は速やかに社内の利用ルールを明文化し、利用状況を定期的に確認できる体制を整えましょう。
利用規程には、「誰が利用できるのか(正社員やその家族など)」「申し込みの手順」「会社と従業員の費用負担の割合」などを明記します。
作成した利用規程は、社内ポータルサイトやメールなどを通じて、すべての従業員へ周知しましょう。
そのうえで、半年や1年などの区切りで利用回数や利用者の声を確認し、制度に改善すべき点がないかを継続的に見直すことが大切です。
まとめ

今回は、会員権を福利厚生として導入するメリット・デメリットをはじめ、経費計上の条件や導入までの流れについて解説しました。
福利厚生費として計上するための条件を正しく理解し、適切に運用することで、会社と従業員の双方にとって価値のある制度になるでしょう。
また、福利厚生を充実させたい方には、自社保養所を単独で所有する方法とは異なる、新たな選択肢として、「COCO VILLA Owners」がおすすめです。
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